Javaの基本のキ!オブジェクト指向とは・・・

■ オブジェクト指向とは・・・


はじめに


オブジェクト指向とは、作りたいもの(オブジェクト)を、一つ一つの部品に分けて作っていくことです。

クルマ作りにたとえて、工場内に6つのチームがあるとします。
オブジェクト指向によらないクルマ作りは、6つのチームそれぞれでクルマを完成させます。
オブジェクト指向によるクルマ作りは、

  • ボディを作るチーム
  • ドアを作るチーム
  • エンジンを作るチーム
  • ウィンドウを作るチーム
  • タイヤを作るチーム
  • 上記各部品を合体させるチーム

のように 部品ごとにチームを分けて クルマを完成させます。

どちらにもメリット、デメリットはありますが、
Javaはオブジェクト指向型言語といわれるくらいオブジェクト指向と相性がいいので、
ここで考え方を身に着けていきましょう!

オブジェクトを理解する上で避けては通れない用語を3つ覚えましょう!

クラスを忘れてしまった方はコチラ
クラス・フィールド変数

Step1: 概念を知る


わかりやすいようにRPGで考えていきましょう!

Human.java(人間クラス)

public class Human {

    private String name = null; //なまえ
    private int gender = 0; //性別(1:男 2:女)
    private int length = 0; //身長
    private int weight = 0; //体重
    private int vitality = 0; //たいりょく
    private int magic = 0; //まりょく

    //コンストラクタ
    public Human() {
    }

    //getter・setter(なまえ)
    public String getName() {
        return name;
    }

    public void setName(String name) {
        this.name = name;
    }

    //getter・setter(性別)
    public int getGender() {
        return gender;
    }

    public void setGender(int gender) {
        this.gender = gender;
    }

    //getter・setter(身長)
    public int getLength() {
        return length;
    }

    public void setLength(int length) {
        this.length = length;
    }

    //getter・setter(体重)
    public int getWeight() {
        return weight;
    }

    public void setWeight(int weight) {
        this.weight = weight;
    }

    //getter・setter(たいりょく)
    public int getVitality() {
        return vitality;
    }

    public void setVitality(int vitality) {
        this.vitality = vitality;
    }

    //getter・setter(まりょく)
    public int getMagic() {
        return magic;
    }

    public void setMagic(int magic) {
        this.magic = magic;
    }

    //はなす
    public void talk(String about) {
        System.out.println(about);
    }

    //たべる
    public void eatFood(String food) {

        int foodType = 0;
        if ("やくそう".equals(food)) {
            foodType = 1;
        } else if ("まほうのみず".equals(food)) {
            foodType = 2;
        } else {
            foodType = 3;
        }
        digestFood(foodType); //食べ物を消化する
    }

    //消化する
    private void digestFood(int foodType) {
        if (foodType == 1) {
            vitality += 10; //たいりょくを10回復
        } else if (foodType == 2) {
            magic += 10; //まりょくを10回復
        } else {
            vitality += 1; //たいりょくを1回復
        }
    }
}

Yusha.java(勇者クラス)

public class Yusha extends Human {

    //コンストラクタ
    public Yusha() {
        super.setName("ゆうしゃ");
        super.setGender(1);
        super.setLength(180);
        super.setWeight(70);
        super.setVitality(100);
        super.setMagic(5);
    }

    public void specialAttack(Human target) {
        String name = super.getName();
        super.setVitality(super.getVitality() - 20);
        System.out.println(name + " の こうげき");
        System.out.println(name + " の ひっさつわざが さくれつした!");

        target.setVitality(target.getVitality() - 50);
        System.out.println(target.getName() + " に 50 のダメージを あたえた");

        super.setVitality(super.getVitality() - 10);
        System.out.println(name + " の たいりょくは" + super.getVitality() + "になった");
        System.out.println("");
    }
}

Wizard.java(魔法使いクラス)

public class Wizard extends Human {

    //コンストラクタ
    public Wizard() {
        super.setName("まほうつかい");
        super.setGender(1);
        super.setLength(170);
        super.setWeight(60);
        super.setVitality(20);
        super.setMagic(50);
    }

    public void magicAttack(Human target) {
        String name = super.getName();
        System.out.println(name + " の こうげき");
        System.out.println(name + " は こうげきじゅもん を となえた!");

        target.setVitality(target.getVitality() - 20);
        System.out.println(target.getName() + " に 20 のダメージを あたえた");

        super.setMagic(super.getMagic() - 10);
        System.out.println(name + " の まりょくは " + super.getMagic() + " になった");
        System.out.println("");
    }

}

Cleric.java(僧侶クラス)

public class Cleric extends Human {
    //コンストラクタ
    public Cleric() {
        super.setName("そうりょ");
        super.setGender(2);
        super.setLength(160);
        super.setWeight(50);
        super.setVitality(20);
        super.setMagic(70);
    }

    //かいふくじゅもん
    public void healingMagic(Human target) {
        String name = super.getName();
        System.out.println(name + " は かいふくじゅもんをとなえた!");

        target.setVitality(target.getVitality() + 20);
        System.out.println(target.getName() + " の たいりょくは " + target.getVitality() + " になった");

        target.setMagic(super.getMagic() - 10);
        System.out.println(name + " の まりょくは " + super.getMagic() + " になった");
        System.out.println("");
    }

}

LastBoss.java(ラスボスクラス)

public class LastBoss extends Human {
    //コンストラクタ
    public LastBoss() {
        super.setName("らすぼす");
        super.setGender(1);
        super.setLength(210);
        super.setWeight(120);
        super.setVitality(500);
        super.setMagic(40);
    }

    public void specialEvilAttack(Human target) {
        String name = super.getName();
        System.out.println(name + " の こうげき");
        System.out.println(name + " の じゃあくな ひっさつわざが さくれつした!");

        target.setVitality(target.getVitality() - 30);
        System.out.println(target.getName() + " は 30 のダメージをうけた");

        super.setVitality(super.getVitality() - 10);
        System.out.println(name + " の たいりょくは" + super.getVitality() + "になった");
        System.out.println("");
    }

}


メイン処理
プログラムの主処理を記述します。
RPG風のメッセージを表示し、各キャラクターのステータスを表示します。

main.java

public class main {
    // メイン処理
    public static void main(String[] args) {
        Yusha Yusha = new Yusha(); //勇者オブジェクトを生成
        Wizard wizard = new Wizard(); //魔法使いオブジェクトを生成
        Cleric crelic = new Cleric(); //僧侶オブジェクトを生成
        LastBoss lastBoss = new LastBoss(); //ラスボスオブジェクトを生成

        //敵があらわれた!
        System.out.println(lastBoss.getName() + " が あらわれた!");

        //バトル開始
        Yusha.specialAttack(lastBoss); //勇者の攻撃
        wizard.magicAttack(lastBoss); //魔法使いの攻撃
        lastBoss.specialEvilAttack(Yusha); //ラスボスの攻撃
        crelic.healingMagic(Yusha); //僧侶が勇者を回復

        //回復アイテムを使用
        System.out.println(Yusha.getName() + " は やくそう をつかった");
        Yusha.eatFood("やくそう");
        System.out.println(wizard.getName() + " は まほうのみず をつかった");
        wizard.eatFood("まほうのみず");
        System.out.println("");

        //ステータス表示
        showStatus(Yusha);
        showStatus(wizard);
        showStatus(crelic);
        showStatus(lastBoss);

    }

    //ステータス表示メソッド
    private static void showStatus(Human target) {
        System.out.println("- " + target.getName() + " の ステータス---");
        if (target.getGender() == 1) {
            System.out.println("せいべつ : 男");
        } else {
            System.out.println("せいべつ : 女");
        }
        System.out.println("しんちょう : " + target.getLength());
        System.out.println("たいじゅう : " + target.getWeight());
        System.out.println("たいりょく : " + target.getVitality());
        System.out.println("まりょく : " + target.getMagic());
        System.out.println("");

    }
}

【実行結果】

らすぼす が あらわれた!
ゆうしゃ の こうげき
ゆうしゃ の ひっさつわざが さくれつした!
らすぼす に 50 のダメージを あたえた
ゆうしゃ の たいりょくは70になった
 
まほうつかい の こうげき
まほうつかい は こうげきじゅもん を となえた!
らすぼす に 20 のダメージを あたえた
まほうつかい の まりょくは 40 になった
 
らすぼす の こうげき
らすぼす の じゃあくな ひっさつわざが さくれつした!
ゆうしゃ は 30 のダメージをうけた
らすぼす の たいりょくは420になった
 
そうりょ は かいふくじゅもんをとなえた!
ゆうしゃ の たいりょくは 60 になった
そうりょ の まりょくは 70 になった
 
ゆうしゃ は やくそう をつかった
まほうつかい は まほうのみず をつかった
 
- ゆうしゃ の ステータス---
せいべつ : 男
しんちょう : 180
たいじゅう : 70
たいりょく : 70
まりょく : 60
 
- まほうつかい の ステータス---
せいべつ : 男
しんちょう : 170
たいじゅう : 60
たいりょく : 20
まりょく : 50
 
- そうりょ の ステータス---
せいべつ : 女
しんちょう : 160
たいじゅう : 50
たいりょく : 20
まりょく : 70
 
- らすぼす の ステータス---
せいべつ : 男
しんちょう : 210
たいじゅう : 120
たいりょく : 420
まりょく : 40

Step2: 使い方を知る


プログラムを解説していきます!
Humanクラス
Humanクラスには身長、体重、体力などRPGのキャラクターのベースとなるプロパティや、
話す talk 、食べる eatFood などのメソッドが設定されています。

各プロパティは公開範囲が private なので、データを参照したり変更したりするには、
setNamegetName といった settergetter と呼ばれるメソッドを使う必要があります。

消化する digestFood というメソッドもありますが、これは体の内部のことで公開する必要もないため、
カプセル化といって処理はするものの、結果を表示させることはしていません。

Yusha、Wizard、Crelic、LastBossクラス

extends Human : 継承

ここでは Humanクラスを継承すること により、Humanクラスが持つ人間の基本動作をそのまま利用しています。
必要最低限の「共通する基本情報」を用意しておくと、Human クラスの汎用性が高まります。
・独自のメソッドの実装
継承した人間の基本動作に加えて、それぞれのキャラクター固有の必殺技や魔法攻撃のメソッドを持っています。
「継承 + 独自のメソッドやプロパティ」を実装することで、継承したクラスに付加価値を与えることができます。
・コンストラクタによる初期設定
各キャラクターは コンストラクタ により、身長、体重、体力などの初期設定が可能です。
オブジェクトを最初に生成する際に実行されるため、 初期設定* をするのに適しています。

メイン処理
・プログラムの流れ

1: 各キャラクターのオブジェクトを生成
オブジェクトに命が吹き込まれてRPG風の戦闘が始まります。
(new Humanクラスを継承した各クラス
2: 各キャラクターの攻撃メソッドにターゲットを指定
これにより指定したターゲットの体力が減少します。

例)僧侶( Crelic クラス)の場合
1. 回復メソッドを呼び出す
2. ターゲットの体力が回復する処理

メソッドのターゲットの指定には、Humanクラスを設定しています。
Humanクラスは全キャラクターが継承しているクラスなので、どのキャラクターでも対象として指定できます。

3: 回復
クラスのメソッドや回復アイテムの使用により、回復するプロパティや分量が変わるように設計されています。

例)Humanクラスの食べるメソッド eatFood
Humanクラスで設定された消化メソッド digestFood が呼び出され、回復する仕組みになっています。
Humanクラスの説明でも既出ですが、カプセル化により隠蔽されています。

4: 各キャラクターのステータス
生成した各クラスのオブジェクトごとにプロパティの値は異なります。
また、戦いによるダメージによって各キャラクターのプロパティが変わっているのがわかると思います。
(ここでは「たいりょく」がそれにあたりますね

Step3: オブジェクト指向的にキャラクターを作っていない場合の問題点


コードが見づらくなる

Humanクラスを継承せずにYushaクラス、Wizardクラスなどに毎回Humanメソッドを記述しても結果は変わりません。
しかし、コードが非常に長くなり、見づらいコードとなってしまいます。
機能を増やすときの手間が増える

人気RPGなので大型アップデートとして新しく王宮戦士、王女、神官、商人、踊り子、裏ボスのキャラクターを追加することになりました。
キャラクターごとにHumanメソッドを記述していた場合、新しいキャラクターには機能追加とHumanメソッドの記述が必要ですが、
オブジェクト指向的に記述していれば、機能追加をすれば完了です。
修正漏れが起きやすくなる
人間の基本動作に、宿屋に泊まることで体力、魔力が全回復する「寝る」という機能をつけるのを忘れていました。
キャラクターごとにHumanメソッドを記述していた場合、一個一個に「寝る」というメソッドを記述し修正しなければいけませんが、
オブジェクト指向的に記述していれば、Humanクラスに「寝る」というメソッドを一回記述すれば修正完了です。

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